糸島を代表する景勝地のひとつ「芥屋の大門(けやのおおと)」。糸島の北西端にあり、国の天然記念物にも指定されている。洞窟の中へと入る遊覧船は30分ほどの所要時間で、糸島ドライブの立ち寄りスポットとしてもオススメだ。
遊覧船乗り場
まずは乗船券売り場でチケットを購入。土日祝日であれば、9時30分から16時30分までほぼ30分おきに出航している。各定員は20名のため、事前に電話で予約しておいたほうがいいだろう。料金は大人700円、子供350円。波が穏やかな3月16日から11月末までの期間限定運行。海の状況によっては欠航になる場合もあるので要注意。当日の運行状況は電話にて問い合わせ可能だ。
芥屋の大門は「いとゴン」の棲み家
乗り込む遊覧船はこちら。対岸に見えるのは、有名な芥屋海水浴場だ。
遊覧船の側面には糸島市のイメージキャラクター「いとゴン」が。芥屋の大門は、この「いとゴン」の棲み家だそうだ。
遊覧船の中は、2名がけのイスが左右に5つずつ。行きに写真が撮りやすいのは右側、帰りに写真が撮りやすいのは左側、ということで左右に大きな差はない。途中、波のしぶきが窓から入ってくることがあるので、窓は全開にしないほうがいいだろう。
いざ、出発!
洞窟に向けて、いざ出発! 波の揺れはそれほど大きくないので、乗り物酔いしやすい人でもできるだけ遠くを見るようにしておけば大丈夫だろう。
出発して5分ほどで芥屋の大門の断崖が姿を現す。その高さは64m。玄界灘の荒波にそそり立つ姿は勇ましく、壮大だ。
船はゆっくりと断崖の周りを旋回。
そして、洞窟の入口に到着した。
海蝕によって出来た洞窟
断崖の絶景に目を奪われていると、息をつく暇もなく、船はそのまま洞窟の中へと進む。
洞窟の中は、遊覧船がギリギリ入り込めるほどの狭さ。
洞窟の中に遊覧船がすっぽり入ったところで停船。少しの間、デッキから洞窟の中を鑑賞することができる。
この洞窟は「海蝕洞」と呼ばれる。波の侵食作用で岩が削られることで急な崖が形成される。そして、その崖の岩質が弱い部分がさらに侵食され、やがて奥行きが長くなる。そうしてできた洞窟が「海蝕洞」だ。福岡の洞窟と言えば平尾台の鍾乳洞も有名だが、同じ洞窟でもその成り立ちが異なるので、見た目も大きく異なる。
頭上を見上げると、海蝕によってむき出しになった玄武岩という岩石が六角形や八角形の柱状に敷き詰められている。正確に言うと、敷き詰められているわけではなく、柱状に割れ目が入った状態で、これを「柱状節理」と呼ぶそうだ。自然のチカラが作った神秘的なアートは、一見の価値あり。
束の間の洞窟鑑賞が終わると、名残惜しく帰路につく。あっという間の30分。糸島を観光する際には、うってつけのアトラクションだ。
駐車場は「磯の屋はなれ」の横
遊覧船の駐車場は、乗船券売り場から100mほど離れた「磯の屋はなれ」というお店の横にある。車で行く場合はまずはここを目指そう。
[文・写真]山下侑一郎
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