「吉野ヶ里歴史公園」と聞いて、竪穴住居や高床式倉庫しか思い浮かばない人は、正直に手をあげよう。いや、おぼろげな記憶だが、筆者が小学校の修学旅行で行ったとき(20年以上前)には、遺跡しかなかったはずだ……。それが昨年、知人から「吉野ヶ里歴史公園は子供がめっちゃ遊べるよ」と聞いて驚いた。だからこそ、まだ “遺跡しかない” と勘違いしている人に、その魅力を伝えておきたい。
もくじ
遊びたいなら「西口」から
吉野ヶ里歴史公園は、とにかく広い。「入口ゾーン」「古代の原ゾーン」「環壕集落ゾーン」「古代の森ゾーン」という4つのゾーンからなり、今回メインで紹介するのは「古代の原ゾーン」だ。ここに遊具や芝生広場などが集まっている。
駐車場も「北口」「東口」「西口」と3ヶ所に分かれているので注意が必要。遺跡の見学が目的なら東口が近いが、遊具などの遊びが目的なら「西口」がオススメだ。
西口ゲートから入ると、まずその敷地の広さに驚くだろう。どこまで続くのかと思うほど、きれいに整備された芝と木々の緑が目の前に広がる。遊具などがある「遊びの原」はゲートをくぐって左側だ。
子供が喜ぶ大型遊具がずらり
「遊びの原」には、子供が大好きな大型の遊具がずらりと並ぶ。今年の春に行われたリニューアルで、よりパワーアップしている。
吉野ヶ里らしく、“物見櫓”風の展望台からつながるローラーすべり台。
ふわふわドームは子供たちに大人気。飛んで、跳ねて、笑って、転がって…。
トランポリンやターザンロープもあり、充実のラインナップ。
幼児向けの遊具もあるので、小さな子供でも安心だ。
暑い日にはとっても嬉しい、水遊び場。着替えの準備をお忘れなく。
ここにしかない遊び
楽しみは遊具だけではない。「遊びの原」の横にある芝生広場(弥生の大野)は、約6ヘクタールという驚きの広さ。
そして、ここで楽しめるのがこの「ビッグボール」だ。運動会の大玉転がしで使うような大きなボールを無料で借りることができる。他の公園などでは見かけることがないため、これには子供たちも大はしゃぎ。
もう一つ、ここならではの遊びが「ディスクゴルフ」。フライングディスク(フリスビー)をバスケット型のゴールに何投で入れることができるかを競うゲームだ。“パターゴルフのフリスビー版” と言えばわかりやすいだろうか。コースは全部で9ホール。初めてやってみたところ、これが思いのほか楽しい。小学校低学年くらいの小さな子供でも十分に楽しめる。
こちらは、おじいちゃんやおばあちゃんも楽しめる「グラウンドゴルフ」のコース(8ホールポスト)。老若男女が遊べる吉野ヶ里歴史公園! しかも、ディスクゴルフとグラウンドゴルフの用具は、貸出無料! 西口サービスセンターで借りられる。
野外炊事コーナーでバーベキュー
西口サービスセンターと遊びの原の間には「野外炊事コーナー」があり、ここではバーベキューができる。公園では、バーベキュー用具のレンタルや食材の販売は行っていないため、全て持参する必要がある。ただし、「手ぶらでバーベキュー」のサービス提供業者を案内しているので、詳しくは公式HPでチェックしよう!
“遊び” ついでに “学ぶ”
もはや遊びだけで時間いっぱいになりそうだが、せっかく吉野ヶ里に来たからには、歴史についても学んで帰りたい。芝生広場(弥生の大野)から少し歩くと、弥生時代の建物が復元された「環壕集落ゾーン」に入ることができる。
環壕集落ゾーン内にある「南内郭」は、壕と柵で厳重に囲まれ、中には物見櫓や竪穴住居などがある。当時の指導者たちが生活していた場所だと考えられている。
物見櫓の上にあがってみた。かなり遠くまで見通すことができ、素晴らしい眺望だが、弥生時代には、ここで兵士たちが見張りをしていたと思うと、また感じ方も違ってくる。
竪穴住居は中に入ることもでき、当時の生活の様子などが再現されている。
勾玉づくりや火おこし体験
環壕集落ゾーンの少し奥まったところにある「弥生くらし館」。ここでは、「勾玉づくり(200〜250円/1人)」や「火おこし(100円/1セット)」などの体験プログラムに参加できる。子供のころに初めて自分で火をおこした体験は今でもしっかり覚えている。子供にとっては貴重な体験になることだろう。
吉野ヶ里歴史公園のランチ
吉野ヶ里歴史公園で午前中から夕方まで遊ぶ場合、ランチをどうするか悩むところだ。東口(入口ゾーン)には、地元食材を使った美味しい料理が食べられるレストランもあるが、古代の原ゾーンからは少し遠い。歩くとそれなりに距離があるので、無料の園内バスを利用するのがいいだろう。行きは園内バスを使い、帰りは「弥生くらし館」や「南内郭」を経由しながら歩いて帰ってくるとちょうどいいかもしれない。
子供の入園料が無料に!
最後にもう一つビッグニュース。2018年4月に吉野ヶ里歴史公園の入場料が改定され、中学生以下の入園料が無料になった。これだけ遊べて無料はとてもありがたい。ちなみに、大人(15歳以上)の入場料は460円、駐車料金(普通車)は310円。
吉野ヶ里歴史公園は、高速を使えば福岡市内中心部からでも1時間弱の距離だ。少し前までの筆者のように、“吉野ヶ里には遺跡しかない” と、とんだ勘違いをしていた人は、この機会にぜひ遊びに言ってみてはいかがだろうか。
[文・写真]山下侑一郎
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