美しい麺に、出会った。“九州3大麺どころ” のひとつ、佐賀県神埼(かんざき)。脊振山系の清らかな水と佐賀平野の上質な小麦に恵まれたこの地で、そうめん造りが栄えたのは必然だったのかもしれない。そんな「神埼そうめん」を、贅沢な眺めとともに堪能できるお店がある。もはや、夏の到来を歓迎せずにはいられないだろう。
眼下に眺める、きれいな川の流れ
そのお店とは、明治6年創業、神埼そうめんの老舗・井上製麺が経営する「百年庵(ひゃくねんあん)」だ。長崎自動車道の東脊振ICから車で10分程の場所にあるので、福岡市内中心部からでも1時間弱で到着する。
窓側の席からは、眼下に流れるきれいな川を眺めることができる。この “特等席” 目当てだろうか、11時に開店するやいなや、6卓ある窓側のテーブルはあっという間に埋まった。その後も、この席が空くのを待つお客さんが続く。おもての「席の移動はご遠慮ください」という張り紙の意味がよくわかった。せっかくなら、この贅沢な席で食べたい。
ツルリとなめらかな喉ごしに感動
注文したのは「唐揚げ定食(1,000円)」。「うどん」や「にゅうめん」、「そば」も選べたが、初めてなのでもちろん「そうめん」をチョイス。
見よ、この透き通るような美しい麺。こんなに爽やかなそうめんがあるなら、夏の暑さも歓迎したくなる。
口にほおばると、なめらかな舌触り。コシが強く、小麦の旨みを感じる。そして、ツルリと感動的な喉ごし。あぁ、これが神埼そうめんか。素晴らしい。
唐揚げとの組み合わせも最高だ。油っこくなく、重たくない。サクサク、軽やか。そうめんと合わせるために作られた唐揚げだろうか。食後も唐揚げがそうめんの余韻をかき消すことなく、幸せな満足感。
数量限定「百年庵御膳」も人気
数量限定の「百年庵御膳(1,300円)」も人気で、次々と各テーブルに運ばれていく。こちらは「にゅうめん」をチョイス。温かいにゅうめんは、冷たいそうめんよりも小麦の香りが感じられる。これなら、美味しいそうめんを冬でも楽しめてしまう。
『吉野ヶ里歴史公園』まで車で10分
百年庵は、『吉野ヶ里歴史公園』のすぐ近く。車で10分程の距離だ。大型遊具や広大な芝生広場もある吉野ヶ里歴史公園は、子供も喜ぶ人気スポット。百年庵で絶品のそうめんを食べ、吉野ヶ里歴史公園で思いっきり遊び、締めは吉野麦米カフェのコロネソフト! 夏のおでかけコースとして、ぜひオススメしたい。
[文・写真]山下侑一郎