陶器市と言えば、ゴールデンウィークのイメージが強いが、秋にも各地で陶器市が行われている。福岡県東峰村では、全国的にも有名な『小石原焼』の陶器市「秋の民陶むら祭」が開催される。多くの人が集まる人気のイベントだが、ゴールデンウィークに開催される「春の民陶むら祭」に比べれば人出も少なく、ゆっくりと掘り出し物を見つけるチャンスだ。
最近では、波佐見焼が若者にも人気だが、小石原焼も負けじと伝統の中にモダンなデザインを取り入れている窯元がいくつかあるので紹介したい。
小石原焼の特徴は?
小石原焼の代表的な表現技法は、この「飛び鉋(かんな)」。
他にも、「刷毛目」、「櫛目」、「指描き」、「流し掛け」などと呼ばれる技法によって表現される、独特の幾何学的な紋様が特徴だ。
約400年の歴史がある小石原焼。50軒以上の窯元が「普段使いの器(=民陶)」を作り続けており「用の美の極致」とも言われる陶器だ。
秋の民陶むら祭
福岡県東峰村で開催される「秋の民陶むら祭」。
期間中は、アウトレット商品が2割引きで販売。
時間は、8時半から18時頃までだが、7時半頃からオープンするお店もある。
福岡市内からは車で1時間20分ほどだが、10時頃から混雑が始まるので、朝早めに行くことをお勧めする。
鶴見窯
最初におすすめしたい窯元は「鶴見窯」。
伝統の中に、モダンで大胆なデザインが入り混じる。
30代の若手作家が手がける若々しくも洗練された陶器は、小石原焼の中でも特に人気が高い。
お店が中心部からは少し離れたところにあるので、まず最初に鶴見窯に行くといいだろう。
森山實山窯
続いておすすめするのは、「森山實山窯(かんざんがま)」だ。
鶴見窯から中心部に向かう途中に位置するので、鶴見窯の次に立ち寄ると良い。
二代目・森山寛二郎さんは、次世代を担う若き陶芸家として注目される。
中には、少しのキズがあるだけなのに半額の商品もあるので、じっくり探してみよう。
翁明窯元
「翁明窯元(おうめいかまもと)」。
お昼頃には、レジ待ちの列が外まで並ぶ人気の窯元。
こちらも中心部からは少し離れているので、車で移動した方がいいだろう。
いわゆる伝統的な小石原焼のデザインから、他では見られないような模様のものまで幅広い。
日常の暮らしがもっと楽しくなるような器作りをめざしているという。
小石原ポタリ―
料理をおいしくする器「小石原ポタリ―」。
フードコーディネーターの長尾智子さんと小石原焼のいくつかの窯元がコラボレーションして開発した新しいブランド。
モダンでシンプル、飽きがこないデザインなので日常使いにぴったり。
東峰村役場 小石原庁舎の一角にある「小石原公民館」などで小石原ポタリ―のアウトレット商品を販売している。
レジ待ちの列は、公民館内をぐるりと回るほど。
道の駅 小石原
道の駅 小石原。
期間中、駐車場は常に満車状態だが、中心部にあるので周辺の小石原小学校や村民グランドなどの臨時駐車場を利用して徒歩で向かうことができる。
見落としがちだが、この道の駅の中にある陶器コーナーには、 約50の窯元のうち44の窯元の作品が展示されているので、ここで好みの窯元を見つけ、その窯元のお店を訪れると良い。
ここの展示番号と民陶むら祭のパンフレットに掲載されているマップの番号がリンクしているので、お店を探す時に便利。
小腹がすいたら、東峰村名物の「高菜饅頭」がオススメ!
高菜の塩っけと饅頭の生地の相性がよく、想像以上に美味しい。
おすすめのランチ「京や」
ランチは、翁明窯元の程近くにある「会席手打ち蕎麦 京や」がおすすめ。
平成の名水百選にも選ばれている東峰村の「岩屋湧水」と国産のそば粉を使った本格手打ちそばがいただける。
駐車場は、表の道を挟んだ向かい側にある。
蕎麦本来の味が楽しめる「ざるそば(680円)」。写真は大盛り(+250円)。大盛りでちょうどいい。
香り豊かで、甘みがあり、コシの強いおそば。
戦利品の紹介
鶴見窯で購入した取り鉢。割引後の価格で、1つ880円(くらいだったと思う)。
森山實山窯のどんぶり。2つ購入。
ひとつは2,000円の2割引き。もうひとつはキズ有り(探さないとわからないレベル)で半額の1,000円。
翁明窯元で買ったグラタン皿、2つ。電子レンジもオーブンも使用可能。
ひとつ2,200円の2割引き。
他にもいろいろ買いたかったが、GWに波佐見焼を買いすぎたので、このくらいで我慢。
MAP
−−− 以下追記(2018年10月)−−−
2018年の開催概要
<秋の民陶むら祭>
開催日:2018年10月6日(土)・7日(日)・8日(祝)開催場所:小石原焼伝統産業会館(及び周辺)
住所:福岡県朝倉郡東峰村大字小石原730−9
小石原焼と高取焼の大陶器市。
小石原地区を中心に点在する約50の窯元では、期間中通常価格の2割引で販売。
※台風25号接近に伴い延期が決定。2018年11月23日・24日・25日に開催。
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