福岡市博物館の中に、無料で遊べるスポットがあるのをご存知だろうか。“アジアの遊戯” をテーマにした体験学習室『みたいけんラボ』だ。無料だからと侮ることなかれ。子供が一度遊びだすと、あっという間に時が過ぎ、ついつい長居してしまう。そんな、子育て世代にはありがたいスポットを写真付きで詳しくご紹介。
体験学習室『みたいけんラボ』とは
『みたいけんラボ』とは、福岡市博物館の1階にある体験学習室のこと。アジアを中心とした各国の遊具や暮らしの道具などが展示されている。「展示」と言っても見るだけではなく、実際に手にとり、遊んだり、奏でたり、着てみたりすることができる。
そして、それら全てが「無料」。空調のきいた屋内施設なので、猛暑の夏休みや寒さで凍える冬休みには、子育て世代の強い味方になること間違いなしだ。
アジアの楽器を奏でる
みたいけんラボの一番奥に展示されているのは、アジアの楽器。中には見たこともないような楽器もあり、その全てを自由に演奏してみることができる。
例えばこちらは、ベトナムの「トゥルン」という竹琴。少し高めの素朴で可愛らしい音を奏でる。
続いて、「バ・カイン」というミャンマーの鉄琴。音色だけでなく、見た目もきらびやか。
他にも、ネパールの「ダマル」やタイの「ウォート」、韓国の「ソゴ」など、各国の楽器が豊富にそろっている。ひとつずつ手に取り、音を奏でてみよう。
これ、な〜んだ??
伝統的な “暮らしの道具” もたくさん展示されている。
さて、ここでいきなりクイズ。これ、な〜んだ??
ヒントは、ウズベキスタンでよく食べられる料理に使う道具。大人でも難しい、かなりの難問。
「かいせつシート」で答えを見ると、「えっ、◯◯ってウズベキスタンでも食べるの?」「そもそもウズベキスタンってどこだっけ?」「なんで◯◯するの?」と、いろんな興味が湧いてくる。ちなみに、答えが気になる方はぜひ『みたいけんラボ』へ。
民族衣装で記念撮影
「知る」「遊ぶ」「奏でる」だけでなく、「装う」ことも。展示されている民族衣装は、自由に試着することができる。
みたいけんラボの中は撮影OK。民族衣装に袖を通したら記念撮影。大人用の衣装もあるので、親子で楽しめる。
これはハマる! アジア各国のボードゲーム
おそらく子供が(大人も)一番熱中するのはボードゲームのコーナーだろう。各国のボードゲームが数多く展示されいて、全て自由に遊ぶことができる。もちろん、各ゲームの解説付き。中にはルールが難しいものもあるので、そんなときは大人が手助けしてあげよう。
ネパールのボードゲーム「キャリンボード」。ルールはビリヤードに近く、コインをボードのポケットに入れていく遊び。日本で言えば、おはじきにも似ている。
これは “アジア” のものではないが、シンプルで面白かった「Das Schwarze Loch(ダス・シュヴァルツ・ロッホ)」。ドイツ語で「ブラックホール」という意味で、真ん中のゴール(ブラックホール)に最初に辿り着いた人が負けという、すごろくを反対にしたようなボードゲームだ。ルールもわかりやすいので、小さな子供でも楽しめるだろう。
日本の子供向けボードゲーム「どうぶつしょうぎ」も。
3×4マスの「どうぶつしょうぎ」、5×6マスの「ごろごろどうぶつしょうぎ」、本将棋と同じ9×9マスの「おおきな森のどうぶつしょうぎ」の3種類があり、年齢に合わせて選択することができる。将棋好きの大人なら、子供に教えながら楽しめるのでオススメだ。
このように取っ替え引っ替えいろんなことをやっていると、あっという間に時間が過ぎてしまう。時期によっては、みたいけんラボならではの特集展示もあるそうで、何度行っても楽しめそうだ。
近くに住んでいるのに『みたいけんラボ』のことは知らなかったという人も多いのでは? ちなみに福岡市博物館には、あの国宝「金印」も常設展示されている。こちらはもちろん有料(一般200円)だが、この機会にぜひ鑑賞してみよう。さらに、福岡市博物館の隣には福岡市総合図書館もある。「今日は屋内で遊ばせたいなぁ」という日には、絶好のおでかけスポットだ。
【利用案内】
時 間:9時30分~17時30分
休館日:月曜日(祝休日の場合は翌平日)、年末年始(12月28日~1月4日)
[文・写真]山下侑一郎