ついにグランピングの波が福岡にもやってきた。グランピングとは、「Glamorous(魅惑的な)」と「Camping(キャンプ)」をかけ合わせた造語で、自然の中に設置された豪華なテントやコテージなどに宿泊し、ホテル並みのサービスがついてくる新しい宿泊体験として今注目を集めている。本格的なキャンプと違って、道具を揃えたり、大がかりな準備や後片付けが不要なため、初心者でも簡単に、そして優雅にアウトドアを楽しむことができるのが魅力だ。そんなグランピング施設が福津市の福間海岸にオープンした。オープン前から楽しみにしていた筆者。9月の週末に宿泊してきたので、その魅力をたっぷりお届けしたい。
美しい福間海岸沿いにオープン
「グランピング福岡 ぶどうの樹〜海風と波の音」がオープンしたのは、福津市の福間海岸沿い。おしゃれなカフェが立ち並び、“西の糸島、東の福津”とも言えるほど、ドライブやデートスポットとして今急速に人気を高めている。
グランピング福岡を運営するのは、福岡県内を中心にいくつもの人気レストランや、宿泊施設、ウェディング事業まで手がける「ぶどうの樹」。当然、期待せずにはいられない。
グランピング福岡は、福岡市内中心部から車で約50分の距離。海岸線と並行して走る国道495号を北上すると左手に看板が現れるので、そこを左折。
まずは、フロントで受付。チェックインは15時。それまでは、近くのカフェでランチを食べたり、宮地嶽神社を観光したり、福津を満喫。
基本的に手ぶらでOKのグランピング。フロントでは、あると便利なキャンピンググッズのレンタルも可能だ。筆者のおすすめは、このLEDランタン。これがあるだけでかなり雰囲気が出る。(実を言うと、レンタルできると知らず、事前に全く同じものをamazonで購入していた)
ソフトドリンクやお酒、おつまみもフロントで購入可能だ。
3タイプの宿泊施設
3タイプの宿泊施設は、それぞれとてもユニークだ。まず1つ目は、「タケノコテント」。広々とした居住テントで、すぐ目の前が海。波の音や海風をダイレクトに感じる浜辺のリゾート。BBQもテントのすぐ隣で楽しめる。
2つ目は、なんと宙に浮いた「空中テント」。1日1組限定、これぞ非日常感たっぷりの特別なグランピング。
空中テントとセットになったピンクのクルーザー。動くわけではないが、室内はクーラー付きの居住空間になっている。
最後は、「コテージ」。4棟あり左から、海のブルーを基調にした「オーシャン」、明るくカラフルな「イロドリ」、情熱のスペインをイメージした「アンダルシア」、落ち着いた大人の「クラシカル」。テーマ毎に内装が全く違うため、選ぶのも楽しい。筆者が宿泊したのは、一番人気だという「オーシャン」。
どの宿泊施設も全部海のそば。あなたはどれを選びますか?
おしゃれで設備が充実したコテージ
受付を済ませたら早速チェックイン。コテージの宿泊者は、玄関の横に車を駐車できるので荷物の出し入れも容易。
中に入ると、思わず「うぉー!」と声を上げる。オーシャンブルーを基調にしたリゾート感溢れるインテリア。明るい日差しが入り込む。
ベッドは大きくてフカフカ。迷わずダイブ。
ちょっとした小物にも気が配られていて、雰囲気にぴったり。
おぉ!2階もある!
2回にも大きなベッド。定員は2〜6名なので、3世代や2家族で泊まっても楽しそうだ。
2階のベッドに寝そべると、目の前に丸い小窓があり、その先には海が広がる。夕暮れ時には、ここから夕日を楽しむこともできる。
お風呂はジェットバス! フロントで泡風呂用の入浴剤を借りられるので、お風呂でも優雅な時間を過ごすことができる。グランピング最高!
ワクワクが止まらないテラス
室内で既に満足感が漂っているが、一番の目玉はもちろんテラスだ。テラスに出た瞬間、もうワクワクが止まらない。
まずは、このハンギングテント。テント型のハンモックのようなもので、中に入って寝そべると、ゆらゆらとほのかな揺れが心地よい。
そして、美しい海を望むハンギングチェア。ここで本でも読んでいられれば、それだけで幸せかもしれない。実際に回すことができる舵にも遊び心があってGood。
テラスから浜辺につながる滑り台! これには子供も大喜び。
滑り台を滑り降りれば、そこは広すぎる砂場。お砂場セットやボール、水鉄砲でもあれば、子供たちも飽きることなく遊んでいられる。ちなみに、ビーチボールは浜風が強いので不向き(失敗談)。
そもそも、目の前の海がただただ美しく、この眺めを独り占めできるだけで贅沢極まりない。
本当に手ぶらでOK、充実の設備
バスタオル、ルームウェア、タオル、フェイスタオル、歯ブラシ、シャンプー、リンス、ボディソープ、ヘアブラシ、綿棒、コットン、シェイバー、ドライヤー、ヘアターバン。ホテルと同様、充実したアメニティグッズ。
普通に家にいるのと何ら変わらないキッチン。
お皿やコップも揃っているので、本当に手ぶらでOK。
室内とテラスをひと通り見て回ったら、興奮を抑えつつ、備え付けのティーバッグでリラックスタイム。
Bluetoothでスマホと接続できるスピーカーまであって、至れり尽くせり。
早くも子供が、「ずっとここに泊まりたい」と言い出す。
夕食はテラスでバーベキュー
一息ついたらBBQタイム! コテージの隣にあるキッチンに食材を取りに行く。
夕食は、「バーベキュー」「鮨屋台 海の彩 」「イタリアンレストラン マルマーレ」の3択。あとの2つは、別の機会に利用することもできるので、せっかくのグランピング、ここは「バーベキュー」の一択と言ってもいいだろう。
あの「ぶどうの樹」が提供する食材なので、質や味は間違い無し。さらに、見た目も美しく、一般家庭ではなかなか難しい、インスタ映えするBBQだ。
インスタ映えを考えると、ビールは缶より瓶? SNSで自慢したくなる優雅な時間。
アメリカンなイメージのバーベキューグリル。ガスボンベだから火おこしの手間がかからないのも嬉しい。
肉も野菜もビールも、ウマい!
魚のホイル焼きは、そのままグリルの上に置くだけでOK。こんな贅沢な空間で食べる美味しい料理。キャンプで一生懸命火をおこしたり飯盒でご飯を炊くのも楽しいが、これはこれで最高に楽しい。キャンプとグランピングは全くの別物と考えるのがいいだろう。
静かな夜のひととき
日が落ちてくると、また少し雰囲気が変わる。
本来であれば綺麗な夕日が見られる福間海岸だが、残念ながらこの日は雲が邪魔をして見られず。
日が沈むと浜辺がライトアップされ、ムードがぐっと出てきた。
今日だけはスマホもほどほどに。ランタンの灯りひとつで、ゆっくりと流れる静かな時間を、ただゆったりと過ごしてみてほしい。
ハンギングテントに寝そべって見上げる星空も最高なのでお忘れなく。こんな贅沢な時間、日常ではなかなか味わうことができない。
気持ちのよい朝
昨日の興奮が覚めやらぬまま迎えた朝。福間海岸の朝は、静かで、優しく、美しかった。
早朝から浜辺で釣りを楽しむ人の姿も。近所に住む人だろうか。
可愛らしいバスケットに入った朝食。目玉焼きはコテージのキッチンで調理。朝から火おこしの必要も無し。
あぁなんて良い朝なんだ。
福岡市内からすぐ近くにこんな場所があるなんて。まだオープンしたばかりのグランピング福岡。まだまだこれから進化して、さらなるグラマラス体験を提供してくれるかもしれない。期待以上の満足感とともに、次に来るときのことを既に想像していた。