千仏鍾乳洞で神秘的な洞窟探険|平尾台

千仏鍾乳洞

鍾乳洞といえば、山口県秋吉台の秋芳洞が有名だが、実は福岡にも神秘的で冒険心をくすぐる鍾乳洞がある。北九州市小倉南区の平尾台にある千仏鍾乳洞(せんぶつしょうにゅうどう)だ。鍾乳洞の中は夏でも涼しく、子どもでも楽しめるので夏休みなど暑い季節の人気観光スポットになっている。

そもそも鍾乳洞とは?

千仏鍾乳洞がある平尾台や山口県の秋吉台で有名な「カルスト台地」は、石灰岩という水に溶けやすい岩石で大地が構成されている。その石灰岩が雨水や地下水などによって少しずつ溶かされることによってできた洞窟のことを「鍾乳洞(しょうにゅうどう)」という。さらに、鍾乳洞の天井からしたたり落ちる水滴によって形成されたつらら状のものを「鍾乳石(しょうにゅうせき)」という。

 

千仏鍾乳洞までのアクセス

平尾台のカルスト台地

千仏鍾乳洞までは、福岡市内中心部から車で1時間10分ほど。九州自動車道を小倉南ICで降りたら、そこから約20分。最後は、写真のような平尾台のカルスト地形の中の曲がりくねった道を突き進む。平尾台が初めてなら、既にこの時点でかなりのワクワク感だ。

 

駐車場から少し歩く

駐車場は無料

駐車場(100台)は無料。車を停めたら石段を下りていく。

4分ほど石段を下る

鍾乳洞の入り口までは220mあり、時間にすると4分ほど。やや急勾配の石段が続く。

杖が用意されている

特に帰りは石段を上ることになるので、足腰に自身が無い人は用意されている杖を使おう。

 

入洞料金と服装について

入洞料金を支払う

入り口に到着したら入洞料金を支払う。大人800円、高校生600円、中学生500円、小学生400円。トイレとロッカーもここにある。鍾乳洞内では身軽なほうが断然いいので、手荷物が多い人はロッカーを利用しよう。

貸草履

そして、ここでサンダルに履き替える。大事なことを言ってなかったが、千仏鍾乳洞では途中から膝下ほどの水位の水の中を歩くことになる。途中までは水に入ることなく行けるがその先はジャブジャブと水の中を歩く。その前で引き返しても良いが、水の中を歩くのが、この鍾乳洞の醍醐味なのだ。

マリンシューズがオススメ

サンダルは無料で借りることができるが、写真のような動きやすいマリンシューズタイプのものを持っていればそれがベストだ。服装は動きやすくて、ズボンを膝まで上げることができるものなら問題ないだろう。子どもは着替えの準備があれば安心だ。

 

所要時間は20分ほど

洞内断面図

入り口から480m先にある「奥の細道」までは、靴のまま行けるが、その先は水の中に入る。さらにその先900m地点にある「堀サク門」までは電気照明がある。ココで折り返すのが一般的なルートで、所要時間は往復で約20分。その先1200m地点の「第三の滝」まで行くには懐中電灯などが必要になる。

いざ出発!

入洞料金を払って、サンダルに履き替えたら、いざ出発! ちょっとした探険の始まりだ。

 

入り口から圧倒される

千仏鍾乳洞の入り口

券売所から少し階段を上ると鍾乳洞の入り口が姿を現す。その見慣れない光景に少し戸惑いつつも、その先に何があるのか、大人でも冒険心をくすぐられる。

鍾乳洞の中

入り口をくぐるとさらに見慣れない光景が目の前を覆う。真夏でも鍾乳洞の中は少しひんやりしていて、どこか異空間にさまよい込んでしまったかのようだ。

奥へ奥へと

洞内は細く、複雑な地形になっているので、進む先がどうなっているのか全く見通せない。ワクワク感はさらに高まる。

千仏鍾乳洞

頭をぶつけないように注意しながら、奥へ奥へと進んで行く。

 

「奥の細道」から水の中へ

奥の細道

入り口から480m歩くと「奥の細道」と書かれた場所にたどり着く。ここから先が水の中だ。

水はかなり冷たい

先に言っておくが、水は想像以上に冷たい。このままこの中を進んで行けるのか不安になるほどだ。

休み休み前へ進む

だが、安心して良い。少し進めばすぐに一休みできる岩が現れる。足が冷たくなったらこういった場所で休みながら少しずつ前へ進もう。そうすれば、不思議とすぐに冷たさに慣れてくる。

狭い鍾乳洞

基本的に道はかなり狭い。人がひとり通るのがやっとの場所もある。

離合

そんな時に前から行き違う人が来たら、離合しやすい場所で待ってあげよう。特にお盆などの観光客が多い時期には、この離合を何度も行うのでなかなか前に進めないこともある。(注;九州では狭い道で対向車同士がすれ違うことを「離合する」と言う)

初音乳

奥の細道から少し進むと「初音乳」という立派な鍾乳石が姿を現す。自然のチカラにより、何千万年という長い年月をかけて形作られた鍾乳石。その自然の神秘に思わず息を呑む。

最後の難所

最後の難所を文字通り「くぐり抜け」れば、ゴールはもうすぐそこだ。

本日はここまで

本日はここまで(870m地点)。この先は筆者もまだ未体験だ。心の奥にある冒険心に後ろ髪を引かれながらも、ここで折り返す。

 

上を向いて歩こう

上を向いて歩こう

帰りはより一層、自然の神秘を感じながらゆっくり進む。立ち止まっては上を向き、数千年もの時を経た自然のチカラに思いを馳せる。

鍾乳洞の中の植物

そして、こんな鍾乳洞の中に根を生やした小さな植物にさえも生命のチカラを感じる。

そして外界へ

外界が見えてきた。約20分の貴重な神秘の旅が終わる。

 

疲れた体にカルストまんじゅう

名物カルストまんじゅう

鍾乳洞を出た後にも楽しみがまだ残っている。さつま芋のあんが入った平尾台名物「カルストまんじゅう」。

カルストまんじゅう

カルストまんじゅう 1個100円。

さつま芋の甘さが絶品

さつま芋の甘さが絶品。どこか懐かしくもあり、少し疲れた体にやさしい美味しさが染み渡る。ここに来てこれを食べないという選択肢は無いだろう。

滝から流れる水でサンダルを洗う

小腹も満たされたら、滝から流れ出る水でサンダルを洗う。売店で新品のタオルも買うことができる。サンダルを借りた人は間違って履いたまま帰らないように要注意。

 

鍾乳洞は冬でもOK?

ちなみに鍾乳洞の中は、一年を通して気温16度、水温14度だという。夏は涼しく、冬は暖か、ということで一年中楽しむことができる。ただ、気分的にもオススメは夏だろう。

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千仏鍾乳洞
北九州市小倉南区平尾台3−2−1
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≫入洞時間:平日9時〜17時、土日祝9時〜18時

 

ランチは「平尾台蕎麦処 えん」で

平尾台蕎麦処 えん

ランチは千仏鍾乳洞から車で3分ほどのところにある「平尾台蕎麦処 えん」へ。

十割そばと天ぷら

ここの蕎麦は、十割蕎麦。きれいな水があるところに、美味しい蕎麦あり。変わり種の天ぷらも美味。この日の天ぷらは、「パプリカ」「よもぎ」「たけのこ」「さつまいも」「わらび」「うど若葉」「イタドリ」。どれも新鮮で蕎麦にもよく合う。

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平尾蕎麦処 えん
北九州市小倉南区平尾台2-8-7-1
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平尾台でトレッキング

平尾台でトレッキング

せっかく平尾台まで来たのだから、鍾乳洞だけではもったいない。カルスト台地のトレッキングは、とても気持ちがよく眺めも最高だ。

 

平尾台自然の郷

平尾台自然の郷

すぐ近くには「平尾台自然の郷」という大きな公園もある。草スキー(そり)もできて、子ども連れには超オススメ。きれいなキャンプ場もあるので泊まりという選択肢も。

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平尾台自然の郷
北九州市小倉南区平尾台1-1-1
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